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2010年06月24日

チビチリガマから日本国を問う!

チビチリガマから日本国を問う!

私の師匠であり、父のような存在でもある、西山監督の最新作が、今週読谷にて上映されます。まだ拝見していないので、コメントは差し控えさせて頂けますが、常に「声なき声」のそばにそっとよりそい、耳を傾ける監督は、数少ない、真のジャーナリストだと思っています。ぜひ、みなさま、足をお運びください。


「チビチリガマから日本国を問う!」沖縄完成上映会
公約を果たせ!
沖縄への屈辱的、政治的差別に抗議するため
日本国総理官邸前に座り込んだ人々の記録。

● 読谷村文化センター中ホール
●6月27日(日) 開場13時30分
上映14時
●上映後、カクマクシャカ・知花竜海ミニライブ
金城実・知花昌一・知花盛康各氏の挨拶あり。
●主催/映画「ゆんたんざ未来世」シリーズを観る会
090-7984-2404(高井)
●協力/チビチリガマ遺族会・琉球親鸞塾・金城実アトリエ
●参加費はカンパとさせていただきます。
●上映希望の方は092-942-7406(fax)
e-mail:aitaro7@yahoo.co.jp
チビチリガマから日本国を問う!

昨年12 月末、読谷村会議員の知花昌一さんが「米兵ひき逃げ事件」に断固抗議!するため、容疑者がかくまわれている米陸軍通信施設トリイステーション前で4 日間におよぶハンガーストライキを敢行した。
知花さんは度重なる凶悪な米軍犯罪や事件・事故、最近では2004年に起きた沖縄国際大学米軍ヘリ墜落の米軍による無法な処理事件、そして2007年沖縄戦の教科書改ざん問題、1996年から現在につづく辺野古新基地建設の策動など日米両政府による沖縄への屈辱的な政治対応に抗議し「屈辱的な日米地位協定を抜本的に改正せよ!」とする声明を発した。
ひき逃げ犯の米兵がようやく起訴され身柄が引き渡されたが、これで事件が解決したわけではない。
凶悪事件犯を逮捕できないという不平等な「日米地位協定」はそのままだからだ。

知花昌一さんはこれまでチビチリガマ強制集団死を語り継ぎ、米軍楚辺通信所(象のオリ)奪還闘争の先頭に立ち、日本全国に向かって沖縄の心を表現、誇りある行動をしてきた。
昨年、政権交代によって沖縄が抱える過重な基地負担がようやく全国民の関心事となり始めた。
新政権が普天間基地の移設先を国外、最低限県外と約束したからだ。

しかしアメリカとの交渉が行き詰ると、県内もありうるとして迷走を始めた。
県外移設という沖縄の期待を煽りながら迷走する新政権。危機感を募らせる沖縄の人々。期待していただけに沖縄の怒りは収まらない。
2010年4月6日から4日間、読谷村在住の金城実(彫刻家)、知花昌一(村議)、知花盛康(農民)の3人が日本国総理官邸前で要請と抗議の座り込みを敢行した。呼びかけから僅か10日間という緊急行動にもかかわらず総理官邸前には延1200人の人々が集まった。
数人の果敢な行動が人々の心を動かし、世の中を動かす場合がある。

読谷村は沖縄戦で米軍が上陸した場所であり、住民が避難していたチビチリガマ(壕)で強制集団死が起きた場所でもある。
彫刻家・金城実さんと知花昌一さんは1986年から翌年にかけて「チビチリガマ世代を結ぶ平和の像」を協働で製作し、強制集団死と平和の問題を共に考え行動してきた間柄である。

私は1986年夏から読谷村に住み「世代を結ぶ平和の像」製作を取材、映画「ゆんたんざ沖縄」として発表した。
23年後、私は再び読谷村を拠点にして、若い世代に時代を語り継ぐための記録映画「ゆんたんざ未来世」シリーズの製作を始めた。
第一弾は昨秋完成した「知花昌一・沖縄読谷平和学」(94分)。第二弾は「金城実~恨(ハン)を解いて浄土を生きる」(仮題)を
編集中でしたが、今回の座り込み行動で、急遽特別編集版「チビチリガマから日本国を問う!」を仕上げることにしました。

県内のたらい回しか、県外か。

5月末にも予想される政府の結論が予断を許さない状況があり、今や問題は日本に駐留する外国の軍隊、日米安保条約そのものに関心が向けられ始めたからです。

戦後65年間もの永きに亘り
外国の軍隊が駐留する国が主権国家といえるのか。

沖縄はこの日本国の主権者意識を根源的に問うているのだ。


地域社会にどっしりと根を張り沖縄の心を叫びつづける彫刻家・金城実さんと知花昌一さんを記録した映画の自主上映を全国各地に広く呼びかけたいと思います。
どうか友人・知人のみなさんに地域上映を呼びかけてください。上映運動で人と人がつながり、地域と沖縄がつながり、世代を結ぶ、そんな平和運動を呼びかけたいと思います。


西山正啓


<西山監督プロフィール>1948 年山口県生まれ。
'82「みちことオーサ」で初監督。以後、'85「おもしろ学校の一日~名取弘文の公開授業」、'87「ゆんたんざ沖縄」、'90「しがらきから吹いてくる風」、'93「水からの速達」'99「ベトナムに生まれて~枯葉剤を浴びた村から」2005「水俣 わが故郷~ほっとはうす流もやい直し」と、教育、福祉、環境、米軍基地と日本の関わりなど、幅広いテーマのドキュメンタリーを撮る。
2006年ドキュメンタリー映画「米軍再編 岩国の選択」、2007 年「消えた鎮守の森」を完成し全国各地で上映運動が広がっている。1999年より福岡教育大学『共生社会論』講師。



Posted by bearhand at 22:51│Comments(2)
この記事へのコメント
西山さんは、苦しんでいる人達と同じ目線で訴えかけているよね。

あたたかくて、優しくて。それでいて、眼光鋭く、見逃さない。

私はいつも、観た後、消化するのに時間がかかるので、上映後のゆんたくに加われないのが残念だけど、

いつまでも、胸の奥底で、静かに燃え続けている炎…それが西山さんの作品だと思います。

昌一さんのハンガーストライキ。

寒空の下、まだ頑張ってるんだと知り、気が付いたら車を走らせていた。

あの時は沖縄も冷え込んでいて、そんな中、横たわる昌一の姿を見たら、「なんでこんなことしなきゃいけないんだ」って、涙が出てきて何も言えなくなっちゃった。

当たり前のことを求めているだけなのに。
なぜ、沖縄だけが、こんなにも苦しまなければならないのか。

「そんなことして、何になる」
そう批判する人もいるだろう。
でも、声をあげなければ、自動的にマジョリティーに組み込まれてしまう。

声をあげ続けることの大切さと、勇気と、信念を、昌一さんはじめ沖縄のみなさんから学んでいます。

もちろん、西山さんからも。

この映画、必見です!
Posted by ちえぞう at 2010年06月24日 23:20
>ちえ姉さま

私が言いたいこと、全部書いてくれてありがとう(笑)

本当に、素敵な人生の先輩たちだと思います。

「そんなことして、何になる」っていうひとには、
「それを言っちゃー、おしめーよ!」と言いましょう。

だれに何言われようと、自分の信念を信じて
淡々と粛々とやるべきことをやるのみ。
昌一さんたちみたいに。

本当に出会えて幸せです。

またゆっくり話そうね。
Posted by bearhandbearhand at 2010年06月28日 13:45
 
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