長い旅の途上　～べあーはんどのナハナハ日記～

気づいたら、身につけている色がいる。
それは、青色。
というよりも、少し緑がかったエメラルドグリーン。
思春期の頃、何色が似合うのか、ぜんぜんわからなくて、
きっと自分は、この色が似合うんだと思い込んだり、
ピンクや赤にも挑戦してみたりした。
でも、いつも、それは私がイメージするのとはちがって
私の焼けた肌では、色がくすんでしまう。

だから、いつもずっと探していた、自分の色を。
そして気づいたら、この色の海の中に飛び込んでいたんだ。

最近、むしょうに美しいものがみたくでしょうがない。
自然のなかの美しいもの、美しい色、美しい形。
私がだいたい選ぶと、全部原色になってしまって
そんな色の服を着てると
だいたい大阪のおばちゃんみたいになってしまうのだけれど
それを堂々と着こなす自然のちからに
いつもほれぼれとして
いつまででも眺めてしまう。

特に好きなのは、海に沈む夕焼けの色。
黄金色に輝くオレンジ、赤、ピンク、
切ないうす紫、そしてブルー。

まばたきの数だけ変わっていく色、色、色。
空、空、空！雲、雲、雲！
いつも学校の帰りに
ランドセルしょって
自転車にのって
夕ごはんの焼き魚や肉じゃかの香りがかぎながら
上ばかり見て歩いていた。

「あんたは、いつもぼーっとしてから。」って
母からはよく言われてたけど、
でも、ぜんぜん飽きなかったなぁ。

今は、一日に何回そうやって
空を眺めるだろうか。
何より夕日の時間に間に合わないのが
悔しい。
だから
せめて写真だけでも。


今年も、また夏がはじまります。